2017年4月26日水曜日

播州織の美しき工程をいつまでも

播州織の製造工程は分業制で成り立っていて、もちろんその工程それぞれがなくてはならない役割を担っている。
糸から布に変わっていくのに、こんなにも多くの工程が、多くの人が関わっていたとは想像がつかなかった。

それらの工程のひとつが「へ通し」とよばれるもの。
この作業は何千本にもおよぶ糸を、一本一本、針のような小さな穴に通す手仕事。
仕事百科事典「笹倉織布」にて紹介)

その手仕事職人の高齢化が進んでいて、へ通し作業の今後が懸念されている。

仕事百科事典の取材を通じて初めて作業内容を見せてもらったが、もう、想像以上にこまか~~い作業。
僕は間違いなく不得意分野だろうけど、こういった仕事を得意とする人はどこかには必ずいるのではないかと思う。
だからこそ余計に、この手仕事に可能性を感じている。

そして可能性だけでなく、これらの工程それぞれに人がいて、その人は、次の工程の人のことを思って、作業をされている。
人から人へわたっていく、その工程がとても美しく感じるのだ。

この手仕事の存在を多くの人に知ってもらいたい。
そして、なんとかして後継者が出てきてほしい。

その思いで、この準備工程の取材協力をお願いし、ウェブで公開することで、知ってもらうことのきっかけづくりができ、僕の目的のひとつは達成できた。


そんなとき。
別のとある織物工場で、へ通しの機械に出逢った。

以前は使っていたらしいが、今は布がかぶっていた。
今は使われていないもの。


モノはあるんだ。

そしてその作業をできるヒトがいる。
そう、教えられるヒトがいるんだ。

トコ(場所)さえあれば、コトは興せるのではないか。

僕のアタマの大部分が、このことで占めている。